ETECとは
ETECは組み込みシステムに関する技術力を問う資格試験です。合格・不合格で判定されるわけではなく、TOEICのようにスコアで評価されます。
そのスコアに応じてグレードA、Bのように判定されます。
ETECでは以下のような分野の問題が出題されます。
- 組み込みシステムの基礎
- ハードウェアの知識
- ソフトウェアの知識
- リアルタイムOS
- 開発プロセスや品質管理
それぞれの分野でよく出る内容をまとめてみます。
分野 | 主な出題内容 |
組み込みシステムの基礎 | システム構成、制約条件、リアルタイム性など |
ハードウェア | CPU構成、I/O、割り込み、タイマなど |
ソフトウェア | C言語の文法、制御構造、メモリ管理など |
リアルタイムOS | スケジューリング、割り込み処理、排他制御など |
開発プロセスと品質管理 | 信頼性設計、テスト技法、ISO規格など |
この記事では、この分野の中から組み込みシステムの基礎について練習問題とその解説を行います。
他の分野の記事についても今後作成していきます!
では早速練習問題を見ていきましょう。

練習問題
Q1
組み込みシステムにおけるリアルタイム性とはどのような特性か?
- 高速に処理できる
- 同じ処理をなん度も繰り返す
- 一定時間以内に処理が完了する必要がある
- 処理順序がランダムでも良い
Q2
組み込みシステムの特徴として最も適切なものはどれか?
- 一般的なアプリケーションを複数インストールできる
- サーバーとしての高い汎用性を持っている
- 特定の用途や機能に特化して設計される
- 周辺機器の変更に柔軟に対応できる特性を持つ
Q3
以下の内、組み込みシステムで重要とされる設計要件として誤っているものはどれか?
- リアルタイム性
- 消費電力の最適化
- マルチユーザー対応
- 高い信頼性
Q4
組み込みシステムでリソース制約が意味するものはどれか?
- システムがネットワーク環境に制限されること
- 使用できるCPUやメモリ、電力などに限りがあること
- OSの制限
- プログラムコードの自由度が低いこと
Q5
以下の機器の中で、最も汎用コンピュータに近い動作をするものはどれか?
- 電子レンジ
- スマートフォン
- デジタル腕時計
- 家庭用ルーター
練習問題の解説
Q1
答えは3です。
リアルタイム性とは、システムがある入力を受けてから出力をするまでの時間に制約を設けられることです。
リアルタイムOSの処理には次の3種類の処理があります。
- ハードリアルタイム処理
決められた時間内に処理が終了しなかった場合に、システムの故障などの致命的な結果が待っている際の処理 - ファームリアルタイム処理
決められた時間内の処理が終了しなかった場合に、価値がなくなる処理 - ソフトリアルタイム処理
決められた時間内に処理が終了しなかった場合に、価値が減少する処理
Q2
答えは3です。
組み込みシステムは特定の用途に特化して設計されます。スマート家電や自動車制御装置などがその例です。
組み込みシステムは汎用性より専門性が求められると覚えておきましょう。
Q3
答えは3です。
マルチユーザー対応は汎用OSの設計に関しては重要な要件ですが、専門性が求められる組み込みシステムには必要ではありません。
他の選択肢は全て重要な組み込みシステムの要件です。
Q4
答えは2です。
組み込みシステムは限られたハードウェア資源で動作します。ハードウェア資源とは、CPU性能、メモリ容量、バッテリーなどが含まれます。
組み込みシステムの設計はこのリソース資源を強く意識する必要があります。
Q5
答えは2です。
スマートフォンはアプリのインストール・アンインストールが可能であり、複数の処理を同時に行うことができ汎用コンピュータに近い動作をします。
他の選択肢は基本的に単一の機能で動作する組み込みシステムです。
まとめ
今回はETECの対策として、組み込みシステム概論の練習問題を紹介しました。他の分野についての練習問題も今後作成しようと思うのでそちらもぜひ見て下さい!

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